4.1.1GUIライブラリによる描画の違い
Javaには複数のGUIライブラリが用意されています。これらのライブラリは、GUIのコントロールだけでなく、そこで表示されるグラフィックに関する機能も有しています。わかりにくいのは、これらのグラフィック関連機能がそれぞれ異なる仕組みになっている点です。
JavaのGUIライブラリのグラフィック関連機能の仕組みについて整理すると、以下のようになるでしょう。
AWT/Swingのグラフィック処理
Javaの基本となるAWTというGUIライブラリ、およびSwingでは、GUIのグラフィック表示は、画面描画のためのイベントを利用して行います。それぞれのGUI部品には、表示の更新(スクリーンへの再描画)の必要が生じると発生するイベントが用意されており、これで呼び出されるメソッドの中に描画処理を記述しておくことで、自動的にそれが呼び出され、画面にグラフィックが表示されます。
部品の再描画時に描画の処理を行わせるというやり方ですので、わかりやすい反面、それ以外の場所でグラフィックを描く必要が生じたりすると途端に面倒になってしまったりします。
JavaFXのグラフィック処理
JavaFXでは、描画用のイベント等は特に用意されてはいません。GUI部品にグラフィックを描けば、常にそれが表示されるようになります。描画された内容は常に保持されているため、表示の更新などをプログラマが自分で意識して管理する必要はありません。
描画そのものはとてもやりやすいのですが、それまで実行された描画が常に保たれるため、新たに描き直すような処理はやり方を考えなければならないでしょう。
Javaでは、GUI関連のもっとも基本となるのはAWTであり、さ
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