2.1 小さなRetinaディスプレイ
Apple WatchにはRetinaディスプレイが搭載されています。42mmサイズで302ppi、38mmサイズで290ppiと言いますから、カラー印刷の精度に近い密度です。iPad miniのRetinaディスプレイには及ばないまでも、紙に印刷された情報と同じ感覚で見ることができ、短時間で情報を確認するためには大切な性能です。
iPhoneでは画面とベゼル枠が分かれていて、特にホワイトの製品では、いかにも「ディスプレイ領域」といった風貌でした。ソフトウェア担当部分とハードウェア担当部分が物理的にハッキリ分かれているという感じです。
Apple Watchではディスプレイに黒色を表示した時に、ベゼル部分との境界が見えなくなっている点が特徴的です。ソフトウェアとハードウェアを巧みに溶け込ませることで、表示情報と本体質感を一体化させ、どこかにある情報ではなく、実体に触れているかのような錯覚をユーザーに与えています。
このような効果を出すためにWatchアプリの背景色は黒色であることが推奨されていますが、じつは背景を黒色にすることは、有機ELディスプレイの画素を消灯状態にすることでもあり、Apple Watchの消費電力を控えるという一石二鳥の効果もあるのです。
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