1.8 iPhoneとの協同作業

Apple WatchはiPhoneとペアで使うことが前提となっています。Apple Watch単体で利用できた方が手軽ですが、iPhoneと一緒に使う理由がいくつかあります。

まず1つ目は、Apple Watchを小型化できること、バッテリー消費を節約できること、そして何よりもiPhoneを使うことでApple Watchのメンテナンスが簡単になることです。

かつてiPhoneのメンテナンスはMacのiTunesで行っていました。それが今ではiOSのアップデートでさえ、iPhoneだけでできるようになっています。同様にApple Watchは、iPhoneを利用して動作やメンテナンスできるように設計されています。

将来的にはiPhoneなしで利用できるようになるでしょうが、Apple Watchを普及させるために、まずiPhoneを利用することは理にかなっています。

2つ目の理由は、パワーの必要な処理をiPhoneに任せられることです。現在の技術でApple Watchの小さなボディに、iPhoneに相当する能力を詰め込むのは現実的ではありません。それで軽快さやシンプルさが損なわれるのであれば、時計である意味がありません。

アップルはiPhoneをサーバ、Apple Watchをクライアントとした、小さなクライアント・サーバシステムを人々に提供しようとしています。あとに詳しく説明しますが、Apple WatchはiPhoneで処理された情報とのインタラクションをとるためのシンクライアント端末と位置付けられており、watchOSやWatchKitフレームワークはこれを前提に設計されています。

Apple WatchとiPhoneが協力して成し遂げなければならない最も大切なことは、Apple Watch装着者の状況(コンテキスト)を把握することです。シンプルなコミュニケーションのためには、それをサポートするコンテキストが必要です。Apple Watchで発信した短いメッセージを、コンテキスト

コメント

    コメントはありません