3.1　Apple Watchのテーマ

Apple Watchのサービスをデザインする際には、基本機能や他アプリと違和感が生じないように配慮しなくてはなりません。そのためにはアップルがApple Watchに盛り込んだ「パーソナル」「統一的」「軽快」といったテーマを理解しておく必要があるでしょう。

3.1.1　パーソナル

Apple Watchは身に付けた利用者に調和するようにデザインされています。手首を持ち上げると利用者が特に興味を持つ情報だけを表示し、ハートビートやスケッチといったデジタルタッチはとてもパーソナルな新しいタイプのコミュニケーションを実現します。また各種センサーがプライベートな行動情報を記録し、健康状態やフィットネスの成果を教えてくれます。

このようにApple Watchは利用者に密着し、行動に調和するデバイスです。表示する情報はプライベートなものばかりですから、Apple Watchを腕から外すと時計機能しか使えなくなります。我々が制作するアプリにおいても、利用者のプライバシーを充分に配慮した通知・表示であるべきです。

3.1.2　統一的

Apple Watchのディスプレイはディスプレイ領域をあえてハードウェア・ベゼルに溶け込ませるようにデザインされています。これは物理的な外観とソフトウェアの境界をぼかすような工夫です。我々が制作するアプリも強い自己主張はせず、Apple Watchの標準機能であるがごとき体験を提供すべきです。

他アプリと切り替えた際にもスムースな体験が続くように、社名やロゴマークなどは表示せず、一連の流れを大切にするようにしましょう。プログラム編で後述しますが、グランス画面はテンプレートベースになっており、どのアプリのグランスでも良く似たデザインに感じるよう配慮されています。この画面テンプレートを使うことでイメージや文字の配置、フォン