3章4節 マテリアルを使おう
モデルの表示を行うのに不可欠なのが「マテリアル」です。簡単なマテリアルの作り方から、アセットストアの本格的なマテリアルの利用まで、マテリアルをひと通り使えるようになりましょう。
マテリアルはモデルの「表面」
今まで作ってきたモデルは、すべてグレーの表示でした。ライトの具合によって、明るいグレーになったり濃いグレーになったりはありましたが、結局は「色がない状態」だったわけです。なぜ色がついてないのか? モデルにはどうして「色」の設定がないのか? そう疑問を感じた人もいたでしょう。
なぜ、「色」の設定がないのか? それは、モデルというのが「決まった色を指定すればOK」というような単純なものではないからでしょう。
3Dグラフィックというのは、現実の世界をシミュレートするものです。一般のグラフィックツールのように、感性で色を塗って描いていくのと異なり、現実の世界がどういう形状のパーツから構成されているかを分析して、それを再構築する、というものです。そうした作り方をするものですから、普通のグラフィックツールのように「色を指定してペタペタ塗っていけば完成!」といったやり方は向いていません。
むしろ、「物体の表面はどのような形で見えているのか」ということを物理的にシミュレートすることで、表面の見え方を設計する――言葉にするとなんだかものすごく難しくかつ面倒くさそうですが、考え方としてはそういうものになるでしょう。
実際、「物」の見え方というのは、さまざまな要素の組み合わせでできているものです。その物の「色」はもちろん、表面に描かれた模様、デコボコ状態、光がどう反射するか、表面の質感はどうか、といったさまざまな要素によって「どう見えるか」が決まってきます。単純に「色は何色か」といった話ではないのです。
そこで、こうした「物の表面のあり方」を設定し、管理するための特別な部品を用意し、それをそれぞれのモデルに設定して「そのモデルがどう見えるか
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