1.4 iPhoneキラー

スティーブ・ジョブズが亡くなった2011年10月頃から、ジョナサン・アイブはApple Watchを構想し始めたと言われています。iOSをバージョン7にオーバーホールしている忙しいさなかに、彼はそのアイデアをデザインスタジオのメンバーに持ち寄りました。いまにして思えばiOS7でのさまざまなデザイン変更やアプリ製法の変化にApple Watchを見越したものが多く含まれているのがわかります。

パーソナルコンピュータが普及し始めてからの30年間を振り返ってみると、どのITデバイスも長時間に渡って人々の時間を占有しており、IT業界ではそれが良いことだと思われてきました。しかしデザインスタジオのメンバー達は仕事の合間にディスカッションを重ね「情報とつながりすぎていることで生活はメチャクチャになる。人々はスマートフォンをいつも持ち歩き、メッセージ着信の音がするとポケットに手を突っ込み、常に画面を覗き込んでいる。誰かと一緒にいるひとときを、もっと人間らしくすることを考えなくてはならない。」という思いに至りました。

そして、どうでもいいことをフィルタリングして本当に重要な情報だけを提供してくれるデバイスを創り出すため、iPhoneが作りだした課題と戦うための新たなプロジェクトが発足したのです。

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