6 ストーリーボードの必要性
ストーリーボードを使う一番の目的は、プログラミングとグラフィックデザインを分けることにあります。つまり、画面パーツの配置や配色などのグラフィックデザインの技量について問われる作業をソースコードから分離することにあります。
かつて、iPhoneの画面は320 x 480という単一の矩形でしたが、今ではiPadの1024 x768や、iPhone 5の320 x 560というように画面のバリエーションが増えてしまい、ついには可変サイズを念頭に置く必要が出てきました。いろいろな画面に適切な配置が必要とされるに至り、そのためにiOS 6からはAuto Layoutという自動配置機構も導入されています。Auto Layoutは、プログラムで直接記述する事もできますが、実際の効果を確認しながら調整できるストーリーボードを使う方が効率的です。画像やボタン、スライダなどのさまざまな画面パーツを組み合わせることができるため、複雑な画面を確認しながら作れる点からもAuto Layoutの積極的な利用をお勧めします。
ただし、本書では、しばらくストーリーボードをさわる事はしません。レイアウトの自動化は重要な要素なのでストーリーボードを無視することはありませんが、扱うのは後にします。UIViewに対する知識を手に入れてからにしたいと思います。まずはUIViewの加工に専念します。
6.1 ストーリーボードを利用せずにUIWindowを作る
ここでは最後に構造体の紹介を兼ねて、今回だけストーリーボードを利用せずにUIWindowを直接作ってみましょう。
注意)ここは一般的ではない作業の説明になります。UIWindowを使う代わりに、UIWindowを派生させた独自のオブジェクトを使いたいといった特別な理由でもない限り、Single View Applicationテンプレートが用意してくれた仕組みを解除してまで、ストーリーボードを利用しない形に直したりする必要はありません
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